ミートポイント調節方法
油圧式のクラッチペダルを有しているホンダ車の場合、シリンダーロッドを回転させて伸縮させることで、 ミートポイント位置を替えることができます。
作業内容はシンプルなのでセルフ整備でできると思います。
変わるのはミートポイントのみであって、ペダルの位置が変わることはありません。
この作業を行うことでペダルが奥へ引っ込んだり、手前に出っ張ってきたりなんてことは一切ありません。ペダルの踏む深さも変わりません。
変わるのはクラッチがつながるポジションのみです。
そして、この作業は運転席の床に寝そべって、中を見上げて、狭い空間範囲内で行う作業です。
なので、安全優先で行う必要があります。
エンジンは切っておくのは当然のこと、クルマは輪止めなどで絶対に動かないようにする、サイドブレーキが引かれていることを確認する、など、どのような事態になってもクルマが動かないことが大前提です。
そして、暗い場所での作業ですのでライトが必要です。
作業人員:1名 (私のみ)
作業時間:素人作業にておよそ30分
費用:なし
必要工具:スパナ[デルソルの場合12と14]、印用白マーカー、照明ライト、敷く用ダンボール
手順① 前準備として、ストッパーを緩めます。
ペダル下に潜り込み、仰向けになり、奥を見上げると、リンク構造が見えてきます。
動かす箇所は2箇所あり、ひとつが下の写真のストッパー部、ひとつが本命のマスターシリンダーロッドです。
ペダルを除くとやや手前側のみえている白い円盤と円錐がくっついた形状の樹脂パーツ、これがストッパーで、まずこのストッパーに当たった状態で固定されているボルトを緩めて、ストッパーとボルトの間に隙間をつくります。
手順② 本命のシリンダーロッドを回転させます。
ストッパーに空間ができたら、本命の、シリンダーロッドを止めているロックナットをゆるめて、シリンダーロッドを回転させます。
このロックナット、とても固いのでやや柄が長いめのスパナを使うとよいでしょう。とはいえ長すぎると作業空間が狭いゆえつっかえて逆効果です。
どのくらい回転させたかを認識しやすいよう、ロッドに印を付けるとよいです。私は白いマーカーを使いました。
というのも、わずかな回転でもかなり位置が変動するようで、やりすぎると奥へ行きすぎたり、手前過ぎて半クラッチ状態になったりしてしまうから。
少しずつ回転させて、その都度試運転して状況確認をしながら行うのがよいです。
私の場合、まず4分の1回転させました。
回す向きは、手前すぎるミートポイントを真ん中へんへもっていくなら、反時計回り(ロッドが手前のネジに食い込む方向)。
逆に、奥すぎるミートポイントを手前へ寄せるなら、時計回りに回す、です。
手順③ 試運転して、位置を確認、足りないならさらに回転を追加。これを繰り返します。
あせって一気に回転させないよう、地道に回転を加えます。そしてその都度ロッドのロックナットを締めます。ストッパーはこの段階ではまだ緩んだままでも大丈夫です。
試運転で、どのくらい位置変動したか、自分に理想的なポジションになったか、を、確認します。
サイドブレーキをひいた状態で、ギアを4ないし5に入れて、ペダルをゆっくり緩めていってつながりはじめる場所を音と振動で確認する、という方法もありますが、
私はしっかりとした感触が欲しくてそのまま実動して確認しました。
最終手順 緩めて隙間を作っていたストッパーを詰めて、完了です。
ベストポジションに確定させましたら、念の為ロックナットを締められているか再チェックし、
最後に緩めていたストッパーの隙間を締めて詰め、ナットを締めて固定させます。
これで、位置調節は完了。
ページ最終更新日 2022年4月9日