■一部のカーオーディオで発生する、強制的に伸び、縮められないオートアンテナ■
90年代車に多く装備されていた、自動伸縮型アンテナ、オートアンテナと呼ばれています。
大抵は、カーオーディオ側で制御され、ラジオを起動したときに伸び、それ以外では縮まってボディ内に格納されるのですが、
一部のメーカー及び機種にて、何を聞こうとしても電源が入れば強制的に伸びてしまう仕様のものもあります。
私のデルソルに付けた「カロッツェリア DEH-790」も、該当機種でした。
CAROZZAERIA DEH-790 2014年製
私はほとんどラジオを聞くことがなくSDカードかUSBメモリ音楽の再生ばかりなので、その際にオートアンテナが伸びる必要性がまったくありません。
どうにかここを操作できる設定やスイッチはないものかと探したが見当たらず、説明書にも記載なく、メーカーサポートに問い合わせた所「仕様です」という返答。つまりそのままでは打つ手なし。
配線を抜いてやろうか、とも考えました。
とはいえ、災害時や緊急時のラジオ放送に備えて、外したくはない。
最近主流のショートアンテナも、オートアンテナ車への交換では感度が落ちると言われています。
そこで、
スイッチを追加して、手動操作でアンテナの伸縮が行える
ように致しました。
その作業内容を掲載いたします。
■スイッチ追加作業を開始します■
用意したもの
(リンク先はクレールオンライン)
・スイッチ ・・・エーモンNo.1620 貼り付けプッシュスイッチ
・ギボシ端子 ・・・エーモンNo.1151ギボシ端子セット 8セット
・配線コード ・・・エーモンNo.2801配線コード 4m
※この配線コードは細線でギボシに合わないことが後でわかりましたが強引にこれを使いました
工具
・カーオーディオ説明書および配線図
・電工ペンチ
・スパナ ・・・バッテリー端子脱着用
・ラチェット ・・・サイドブレーキ脱着用
・プラスドライバー ・・・センターコンソール外し用
・輪止め ・・・サイドブレーキを外すので万一に備えて※持ち合わせが無いときはギアを1もしくはRに入れることでロック
かかった費用
パーツ費のみ 1,074円 税込
所要時間
およそ45分 その大半はコンソール外しに難儀したもの
購入した配線パーツ一式。すべてエーモン工業製
●準備作業1
スイッチをつける場所を決めます。
両面テープ接着式なので場所を選びませんが、
今回は、センターコンソールのカップホルダー兼小物入れの、内壁に両面テープ固定することにしました。
そのための配線穴がすでにUSB端子延長時に空いてくれていたので、これを流用します。
●準備作業2
カーオーディオを外します。
そのための準備作業がしばらくつづきます。
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まず最初に、基本中の基本でもある、バッテリーのマイナス端子を外します。
万一に備えての作業です。
室内センターコンソール(後部)を外します。
(センターコンソールの外し方は、車種ごとに異なりますので各位でご調査をお願いします。この掲載はCR-Xデルソルでの例です。)
センターコンソールは後部から前部への順で、すべて外す必要があります。
まずいちばん後ろ側の、ボックス兼缶ホルダーを外します。
黄色い丸印のネジ、左右ともに1ヶ所ずつ、それと、ホルダーボックスの中に1ヶ所、ネジを外します。
裏側にあるシガーソケット用の接合端子を外します。
つまみを押せば簡単に外せます。
写真ではエレコム製USBアダプターが残っていますがもちろん真っ先に抜き取ります
これでセンターコンソールの後ろ側が外せました。
そして、ようやく、本命のカーオーディオのあるセンターコンソールを外すことができます。
ネジは、左右に1箇所ずつ。
光の加減がうまくいかなくてすみません
シフトノブをはずします。
前部センターコンソールはこの2本のネジとシフトノブを外せば、取り出せるようになります。
さてここからはCR-Xデルソルオーナーなら誰もが通る難所、
サイドブレーキが邪魔をしてセンターコンソールがはずれてくれません。
方法は2つ。
知恵の輪のように強引にネジたり曲げたりしてムリヤリこじ出すか、
邪魔をしているサイドブレーキを外すか。
私の場合、どうあがいても知恵の輪式での取り出しが通用しなかったので、
重要ヶ所でもあり不安ではありましたが思い切ってサイドブレーキを外すことにしました。
注意!
サイドブレーキを外すと、作業後元通りにつなぐときに相当の力を必要とします。
不安な方はショップにおまかせの方がよいかと思われます。
サイドブレーキを外します。
さすが大事な部位。スパナ程度では固くてゆるみやしません。
ラチェットでかなりの力を入れて、ナットをゆるませます。
ナット2ヶ所で止まっているので、2ことも外せばサイドブレーキが外れます。
そうすると、あれほどああでもないこうでもないと頭を捻って外し方手順を模索していたセンターコンソールが、
いとも簡単に外れてくれました。
そしていよいよ、カーオーディオの取り外し。
前面の矢印4ヶ所のネジを外し、サイドに1対あるネジを外します。
この前面ネジとサイドのネジは長さが異なるので、もとに戻す際に間違えないよう注意です。
カーオーディオを引き抜きます。
まっすぐ引っ張れば、多少のひっかかりはあるものの抜きだしできます。
両手使ってて撮影困難でしたすみません。
●配線作業1
カーオーディオ説明書をみながら、オートアンテナの配線を探します。
私のカーオーディオの場合は目印タグがつけられておりました。
粗悪な取り付けをやらかす店なら早々にとっぱらわれる可能性のあるものですが、私がお願いしたディーラーではあとあとのことを考慮して残してくれていました。さすが。
容易にアンテナ配線が見つかりました。
もし配線タグがなくても、説明書の図面とよくてらしあわせれば、どれがアンテナ用ケーブルなのかは判別できます。
オートアンテナの伸縮ON-OFFの切り替えは、このケーブルに流れる電気信号が止まればOFF、常時流れていればON、という構造。そしてこのカーオーディオはエンジン始動で電気信号が流れっぱなしになる仕様。
ここを断線してやればアンテナは収納される。という仕組みです。
理論と結論をいえば、ON-OFFできるスイッチを1つ追加して、操作で断線できるようにすれば、解決。
配線作業2
追加配線ケーブルを作ります。
配線図をイラストにしました。
赤いケーブルと黒いケーブルが、今回作ったケーブルで、左端の黒い四角いのが新たに新設するスイッチです。ご参考にどうぞ。画像タップ(クリック)で別窓表示します。
つなぐ2本の延長配線ケーブル、イラスト通り1本ずつ色分けするのがおすすめです。
今回同じ色でやっちゃって、軽く結んで識別するといった対応が必要でした。
●配線作業2-1
つくる前に、まずはギボシでつながっているアンテナ配線を抜き外し、オスとメスどちらの形状なのかを確認します。
私の場合メスのギボシになっていました。なので、片方の先端はオスのギボシをつけます。
もしアンテナ配線が直結されてギボシがなかった場合はそのままではスイッチを追加できないのでギボシ化します。適当な箇所で切断し、ギボシを新規追加します。
●配線作業2-2
スイッチからのびてるケーブルにも、ギボシをつけます。
この製品のスイッチには配線ケーブルが入る側・出る側で2本出ていますが先端には何もついてません。ここにギボシをかしめて、作ります。この2本に識別はありません。どちらにオスメスつけてもOK。
●配線作業2-3
延長するケーブルをつくります。
カーオーディオのギボシのオスメスを確認し、それに合わせて現場でギボシ端子をカシメます。
カーオーディオ側がプラスということだったので、プラス側のギボシは絶縁キャップの幅広いメスにして、外した際にうっかりボディに触れてショートしないよう。(エーモンのヘルプサイトみたいなとこに記載ありました)
●配線作業3
作ったケーブルを、カーオーディオのアンテナケーブルにつなぎます。
手に持っているのが延長しつないだケーブルです。
配線図はさきほどのイラストをご参考に。
●配線作業4
スイッチとつなぎます。
スイッチはまだ固定させません。テスト動作の正常を確認してから、です。
●配線作業5
配線が完了した段階でスイッチを操作、正常にアンテナが伸縮動作するかをテスト
バッテリーを抜いてますから繋ぐのを忘れずに・・・・
スイッチを操作してアンテナが伸縮してくれれば、これで完成です。
カーオーディオは初期設定画面になっている場合があります。
テスト段階の動画です。
最後に、センターコンソールを元に戻し、スイッチを貼り付け固定します。
ようやく、アンテナを収納した状態で走行ができるようになりました。
自分でやればパーツ代1000円ちょっとで済ませられます。が、サイドブレーキを外すなどの作業も伴うことがあるので不安な場合はショップ任せのほうがのぞましいと思われます。
最終更新日 2022年4月9日