■前を走る車や暴風からの飛び石によるフロントガラス傷は早期修復を!■
25年以上も同じクルマに乗り続けていると、いろいろな傷害にみまわれるものです。
ボディのこまかな傷もそうですが、毎年やってくる台風や暴風雨による、飛び石ヒットによる損傷、ボディ傷ならまたかよってなことでサビにならないようちょっとリペア塗装する程度でなんとかなりますが、 フロントガラスについた傷だけは早めに修復しておかなければなりません。
これを放置したまま走らせると、受ける風圧や振動でますます傷が広がり巨大な亀裂へと発展し、手遅れになりガラス交換という高額な出費にみまわれます。
応急処置として、テープを貼り付けて傷に風が入り込むのをふさいでおきました。 ただしテープは雨に弱い。あくまで応急です。
小さな傷の段階でなら、市販のレジン注入剤によるリペアで、傷をふさぐことはできます。
かんたんに手順を申し上げますと、亀裂の中へ専用修復材を流し込み固めるというだけのもの。
ただ、流し込むといってもコツや手順、条件があります。
■ガラスリペアキット の使用手順と注意事項■
レジン という樹脂素材は、紫外線で硬化する特性をもっています。アクセサリーなどで行うレジン細工と同じもの。アクセサリーはUVライトを照らし当てることで硬化させますが、ガラスリペアの場合、太陽に直接あてて硬化させます。
つまり晴天の日、というのが一番の作業条件となります。
そして、レジンは速攻で硬化が始まるので、注入作業中は勝手に硬化させないため、日陰で行うことになります。
まとめると、作業環境での条件は、日陰も、日なたもある場所、ということになります。
さらに追加条件で、前日に雨や夜露でフロントガラスに水滴が付着していないことも条件。キズ内に入り込んだ水がレジンを薄め威力半減となります。
では、作業の手順を解説します。
■クルマを日のあたらない場所に移動し、ガラス温度が高くないことを確認します■
路駐はダメです。この写真は悪い例。
真夏とかは先に日陰に駐車しておくといいとかいてあります。
■付属のピンの針先を傷口に差し込み、広げます■
「まず最初に、付属の押しピンの針先を傷口に刺し、ゆっくりと傷口をひらけます。」
レジンが流し込まれやすいようにする目的ということで。
なんかやりすぎでピシッとか亀裂線が走りそうでコワイ。
今回の傷の場合、いったいどこが傷の発生地点なのかわからなかったので、ややあてずっぽうな所がありました。説明書には、ルーペを使うことをおすすめしますと書いてありました。
■フロントガラスの汚れを乾いた布で完璧にふきとり、ステーを固定します■
レジン剤を入れるための土台の設置です。この台に、注射針のような容器に入っているレジンを差し込み、注入する仕組み。
ステイは商品により異なります。吸盤式のもの、両面テープ式のもの、など。
古いクルマのフロントガラスは細かなキズがあり吸盤密着に適さないことがあるので、両面テープ式のほうがおすすめです。
■修復材注入口を傷口に密着固定させ、修復材を流し込みます■
付けた土台に、レジン剤の入った注射器をセットします。たいていの製品は注射器の中にレジンが入った状態で梱包されていますので、自分で注射器の中にレジンを入れる必要はありません。
■注射器のピストンを引き、キズの中の空気を抜きレジンを入れ込みます。■
この作業が、一番重要です。
傷の空気を抜き、いわゆる真空状態にして、空気の代わりに修復材が流れ込むという仕組み。
このピストン運動は何回かくりかえして、浸透により傷が消えるまで行います。とありますが今回のキズはかなり広範囲だったので、完璧に消えることはありませんでした。
ここの部位が注射器ではなくネジ式のものもあります。
■ステーをはずし、付属の透明シートを上からかぶせて、直射日光にあて硬化させます■
シートをかぶせる直前に残りの修復材を1滴傷口にたらして、空気がはいらないようにシートをかぶせます。
かぶせたら、硬化させるため、クルマを直射日光のあたる場所へ移動して、乾燥をまちます。
説明書によると、夏場で15分、冬場で30分程度で乾燥硬化するとかいてありました。
■はみでた修復材を付属カミソリやカッターの刃でけずりとり、完了です■
保護フィルムをはずし、付属のカミソリ刃を使って余分なレジンをそぎ落とします。
このとき、そぎ落としすぎるとせっかく埋めたリジンがまたはぎとられ、今までの苦労が水泡になっちゃいます。なので、注意して行う必要があります。
これで、リペア完了。
リペアというより、これ以上キズ口を広げない防止策の意味合いのほうが強いですね。
このリペアキット、価格相場は2500~4,000円、てとこ。
楽天だと安いです。
最終更新日 2022年5月25日