HONDA CR-Xデルソル (delSol) 1992-1998 memorandum

ASL ガライヤ と公道で出会った  距離300m・時間1分の奇跡

この写真は、
オートバックスが世に送り出そうとしていたスポーツカー、「ガライヤ」です。

ガライヤを知らない方のために軽く解説致しますと、
残念ながら市販化ならずお蔵入りとなってしまった悲運の車ですが、
当時、2003年ごろ、
オートバックスはASL「オートバックス・スポーツカー・ラボラトリー」という子会社を設立し、小型軽量なスポーツカーの開発と市販化を目指しておりました。
それがこの「ガライヤ」です。

ミッドシップ、シザードア、
ボディ素材はFRP、オールハンドメイド。
エンジンは日産の直4・2.0lのSR20VE。

2003年時点ですでに公式発表されており、公式サイトより予約の受付も始まっておりました。
が、車両価格650万円とハンドメイド車ならではの高額車でありましたゆえ当時非正規立場の私には高値の花でした。

この時は、まだ市販化に向けての開発途上で、公道を走れるガライヤはこの赤いボディのが1台だけ、ということでした。

それ以外には東京東雲のスーパーオートバックスに実車が展示してあるとのことでしたが、当時私は徳島県南の、海部郡牟岐町に住んでまして、当然のことながら、実車を見るためには東京まで行かねばなりませんでした。

四国の南のど田舎では、雑誌写真かカタログかweb画像を眺めるのがせいぜい、でした。

とある日の午後です。夜勤明けで家に帰宅してました。

うちの相方が、職場で倒れ救急車で病院へ運ばれた、との連絡を受けました。

幸い症状は大したことなく、念のため一晩だけ病院で過ごし、明日の朝には退院できるだろうとのことで、一晩分の着替えetcを病院へもっていくこととなりました。

病院までは近いです。車で数分。

途中で国道55号を通る機会がありますが、距離にして300m、時間にしておよそ1分程度。
警察署の交差点から国道入り、駅前交差点で右折して国道からそれて病院に着きます。


水色の部分が、病院までの道のりで通る国道55号線。

そのわずかな時間と、わずかな距離での、奇跡の遭遇です。

一台しか実走車がないはずの、ガライヤが対向!!

最初、私は目を疑いました。
いやいやいやないないない。
こんなど田舎に日本で1台しかない車に出会うわけがない。

でも、毎日くいいるようにカタログや写真をながめてた私が、見誤るわけありません。

間違いなく、ガライヤ!

こんな奇跡、というか導き、 あっていいのだろうか。

妻が入院したこと、
私がその時刻に病院へ向かったこと、
わずか300m、時間にして1分のその区間に、
たまたまガライヤが国道55号線を南下走行してたこと。
そのクルマが私の憧れであり目標であったこと。

これだけの一致がひとつでも欠けたら、私のガライヤとの出会いはなかったでしょう。

このときどんだけ後を追いかけたかったことか。
でも病院を優先しました。当然か。

あとで、ASLへ直TELして、確認をとったところ、
高知方面へイベント参加のため、デモ走行を兼ねて国道55号線を走っていたとのご返答。

それ以降私は偶然の導きや奇跡を信じることにしてます。

そして次の奇跡は、
ASLからの懸賞、抽選で3名にガライヤの携帯ストラッププレゼントに当選したことでした。

今でも未開封で保管してあります。

それから1年後、とある所要で東京入りする機会があり、
それならばと東雲へ赴き、青いガライヤ、会えました。
そのときの写真。

それから数年経ち、軽量化の課題と国内生産においての課題がクリアできず、ガライヤの市販はなかなか始まらず、開発の継続と市販化を断念し公式サイトも閉鎖され、実働車数台の幻の車となりました。

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